老人ホームにいながら透析を利用することはできるのか

老人ホームの利用を検討している人の中には、持病や治療の内容がネックになって入居できるかどうか不安を抱えている人も少なくありません。特に人工透析を受けている人の場合は、健康面だけではなく通院面で不安を抱えている人も多いと言われています。

そこで今回は、人工透析をしている人の老人ホーム利用に関する疑問を解説していきます。

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一般的に高齢者やその家族は、人工透析をしていると老人ホームに入れないのではないかという不安を抱えていると言われています。その理由としては、人工透析は週に何回か病院に通院する必要があることや老人ホーム側の医療的な体制が整っていない場合が多いことが挙げられています。

自分で移動できる人であれば自力で通院できますが、高齢者の中には自力で移動することができずに第三者の力を借りなければいけないケースも少なくありません。このため老人ホーム側に送迎をお願いしなければいけない可能性もあり、その負担を了承してもらえないのではないかと不安を感じていると言います。

また人工透析をしている人は水分制限や塩分制限などの食事制限をしなければいけないですし、血圧の変動に注意しなければいけないなど普段の健康面で注意するポイントが多くなっています。特に高齢者の場合は透析を終えた後は体調不良を起こす人も少なくないので、老人ホームに入居する場合は医療体制が整っている必要があります。

ただ老人ホームはあくまで介護施設なので、医療体制が整っていないところも少なくないのです。このような点から、人工透析を受けている高齢者やその家族は老人ホームへの入居を希望していても躊躇してしまいやすいと言います。

では実際に人工透析をしている高齢者は老人ホームに入居できないのかというと、老人ホームによって異なります。例えば老人ホーム側が医療体制を十分に整えていなかった場合、万が一の対応ができないため入居を断る可能性がありますよね。

特に看護師が常駐していない老人ホームやすぐに医師や看護師などの医療従事者に連絡が取れない老人ホームは、医療行為を必要としている高齢者を受け入れることができないというところが少なくありません。ほかにも夜間に介護職が常駐していないなど、夜勤体制が整っていないところも万が一に対応できないということで人工透析をしている高齢者を受け入れていないことがあるようです。

それ以外には人工透析をしている高齢者は食事制限が必須となるのですが、病気に合わせた食事を提供できないという老人ホームも受け入れていないことが多いと言われています。病院への送迎に関しても制度が整っていない・人手が足りなくて対応できないという理由で受け入れが難しい老人ホームもあります。

医療体制や万が一の対応が難しいなどの理由で受け入れや入居を断る老人ホームがある反面、人工透析をしている高齢者でも入居することができる老人ホームも増えてきています。

このような人工透析をしている高齢者が入居できる老人ホームのポイントとしては、人工透析をはじめとした通院や治療が必要な高齢者に対する受け入れ態勢が整っているかどうかが重要です。

例えば老人ホームと病院の送迎に関しては、老人ホーム側の職員が対応できなくても家族が対応できれば問題はありません。また老人ホームの職員以外にも介護タクシーなどの第三者のサービスを利用することができるのであれば、大きな問題にはならないのです。

また塩分制限や水分制限などの細かな食事制限についても、自分たちで調理して提供している老人ホームや様々な食事形態を提供している配食サービスを利用している老人ホームであれば対応可能としています。そして人工透析に関する万が一の対応については、看護師が常駐またはすぐに連絡が取れるようになっている老人ホームや夜勤体制が整っているところであれば、老人ホーム側も安心して対応することが可能です。「参考情報|老人ホーム探し方|ウチシルベ

さらに職員に対する人工透析の認識や知識が備わっているかどうかも重要だと言われており、教育体制が整っている老人ホームであれば安心して入居することができますよね。

これらのポイントを押さえている老人ホームであれば人工透析の高齢者でも入居することができるのはもちろん、入居を検討する高齢者やその家族も安心して利用することができるのです。

老人ホームと一言で言っても、その種類はたくさんありますよね。そのため老人ホームも種類によって看護師の配置人数や医療機関との連携体型が異なっているのはもちろん、医療行為を必要としている高齢者の受け入れも変わってきます。

このため人工透析の高齢者が老人ホームを利用したい場合は、老人ホームの種類もある程度決めておくことが大切です。その中でも人工透析の高齢者が入居しやすい老人ホームとして挙げられているのが、介護付き有料老人ホームや住居型有料老人ホームなどの有料老人ホーム系列の施設です。

有料老人ホームは施設に看護師が配置できなかったり医療機関と連携が取れなかったとしても、訪問看護サービスを利用することで医療面での管理をすることができます。そのため自分または家族の送迎で病院に通院することができたり、病院側が送迎してくれるのであれば入居可能としているところが多いようです。

特に介護付き湯量老人ホームの場合は入居費用が高いところも多く、そのようなところは送迎費用を賄ってくれる可能性もあるので人工透析をしている高齢者が入居しやすい老人ホームと言えます。ほかにも自分や家族の力を借りて通院できる場合や病院が送迎してくれる場合など、送迎面での問題をクリアできれば特別養護老人ホームや介護老人保健施設、ケアハウスなども入居できる場合があるようです。

人工透析をしている高齢者が老人ホームへの入居を検討する場合、まず注意点として挙げられているのが人工透析をしていることを施設側にきちんと伝えることです。人工透析をしているという事実以外にも、病院に通院する頻度や食事制限があるならどの程度の制限が必要なのかなど、細かな情報を伝えておく必要があります。

そうすることで老人ホーム側も入居が可能かどうか判断することができますし、入居可能であればどの程度の受け入れ準備をしなければいけないのか確認しやすいためです。ほかにも人工透析を受けている病院側にも老人ホームに入居することを検討している点を伝え、病院側と老人ホームが連携できるようにすることも重要な注意点として挙げられています。